れおなのブログ~ゾンビか人間か
気がつけば猫の日も過ぎ(ニャンニャン22日)、まもなく3月。はやいですね!年度の変わり目、季節の変わり目、地球の変わり目、日々が飛ぶように過ぎていきます。
さて今回は、なおぽんオリジナルの、とある生活パターンについてです。
週に1度の「一泊」お泊まり。
なんと、これが、なおぽんのデフォルト(?)、基本的にこうしよう、と決めてしまった、生活のパターンなのです。お泊まりは、重心医ケアっ子の世界では「短期入所」とも呼ばれます。ほとんど入院するのと同じ感じで、まさしく、ほとんど病院のような施設に、お泊まりをするのです(あらかじめ予約をしたり、場所によっては学校に通えたりもするので、もちろん入院とは違うのですが)。
なぜ、このパターン? 話せば、長くなります。でも、短く、ガンバってみます。
たくさんある理由のうち、最もおっきくて分かりやすい理由は、「私の仕事」です。母の仕事のために、毎週「お泊まり」なんて・・・。ナンテ、オニ〜〜〜〜!って、言われちゃうかな。なおぽんには、いっつも、恨めしげーーな目で見られます。そんな息子の様子を見て見ぬフリするのも、すっかり板についてきた、オニ母です。
でも、弁解させてもらうならば、母だって、つらいのだ。
だって、まだ、なおぽんがはっきりと意思の表出もできてないのに、ほぼ「寝たきり」的にテレビの音だけを友として過ごさねばならない場所もあるのに、どんなに「ため息」で呼んでも聞こえない、個室のことも、あるのに。ケアを担当してくださる人との、相性が合わないことだって、あるだろうに・・。
まったく、「短期入所」というシステムは、親にも子にも、その精神的修行のためにあるのではないか、なんてコトまで考えちゃったりも、します。
我が子をあずける。それは、確かに、どっぷりと普段ケアに浸かっている母たちを、物理的に、時間的に、そして精神的にも、ひととき、解放します。時間を気にせずに買い物に行ったり、普段ほったらかしの兄弟の送迎をしてあげたり、念願の美容院にいったり、できるのです(・・実際には、そんなゆったりした時間でもなく、自分の病院や銀行や市役所や、足を運ばねばならない業務をこなすだけで終わってしまうコトも多いですが)。
でも、ぴったりといつも寄り添ってきた一人の子供を、自らの決断でひき離すわけで、あたかも、自分の分身を「よいしょっ」と、スライムをのばして無理矢理に二つにひきちぎるような、そんな、「分離感」と、付き合わねばなりません。しかも、まだまだ、我が子たちのような重度障害の人々への理解が十分とはいえぬ、この、世間という荒波の中へ、ぽんっと、ほうり出さねばならないのです。ときに、生命にかかわる医療的ケアそのものに、不安を感じてしまう施設だって、あるのです。
分離感、罪悪感、不安感、心配・・・・・・・・・、ハンパないのです。
大げさかなぁ、うん、人によっては、そこまでじゃないかもしれないですね、そして、受け入れてくださる先にも、安心できる、信頼できる人々が増えてきた今では、もう、これはちょっと、オーバーな表現かもしれません。ただ、そんな時期もあったなぁ、お守りを握りしめて(させて)、連れて行っていたなぁ、なんて、このシステムを始めたばかりの頃を、懐かしく思い出します。
さて、では、なんだってそんな気持ちを抱きながら、週に一回もお泊まりさせるの?
逆に、なぜにそこまでして、仕事をしているのか?です。
答えはやっぱり、単純なのです(私だもの)。
「ゾンビに、なりたくなかったから」
なおぽんを、朝も晩も必死にケアをして、兄を育て、家の中に引きこもっていた、あの頃(あるのですよ〜私にも、そんな時が)。ストップウォッチで”よーいスタート!”のように、たえず時間に追われて買い物をして、病院やリハビリだけが、主な外出先。夜もケアで十分に寝られず、心のどこかで誰か(たいがい、身近な存在こそが対象になりやすいもの)を責めて、取り憑かれたように吸引をする。
私は、ゾンビになる、一歩手前だったと思うのです。
生気のない、私でない、私でした。
ある日、鏡をのぞいて、鬼ともゾンビともいえぬ自分の顔を見た時、ハッとして、こう、思いました。
子どもだって、ゾンビみたいな人間がべったり横にいて世話をしてくれるのと、身勝手だけど、元気が良くって笑っているお母さんが、いつもじゃないけど世話をしてくれるのと、どっちがいいだろう?
なおぽんは、どっちが、嬉しいだろう?自分だったら?
想像してみたら、答えはカンタン。ゾンビには、みてもらいたくないのです。
そいうわけで、ゾンビでなくなるための、手段の一つが、お仕事なのでした(あくまで私の場合)。それも、同情によってひねり出してもらった形だけのパートタイムワークではなく、きちんとした、私が私らしく、責任をもって社会の一員になれるような、仕事です。
かくして、週2回ある自宅での仕事のうち、一回を、私も心置きなく仕事に没頭できて、その夜は睡眠もしっかりとれて、その間、これからも色々な人とかかわって生きていくなおぽんには、ちょっとした人生勉強をしてもらって・・、と、週1回のお泊まりコースができあがったのでした。
・・・とはいえ、お泊まりできる場所の数はまだ多くなく、予約とりの競争も激化している昨今です。毎週お泊まりできるわけでない、日々が増えてきています(けどちょっと、嬉しいね、なおぽんは♫)。
さらには、そもそもゾンビにならないためのお仕事なのに、仕事内容プラス、このシステム維持のための新たなワーク(訪問看護さんや介護士さんの依頼や諸々の事務的なコト、などなど・・)に追いつめられている自分を見つけるコトも(!)。本当に、医療ケア&重心っこを抱えてのバランス良い穏やかない生活って、いつか、やってくるのかなぁ。。
夢をみながら、色々、あがいて、まいりましょう。
*お知らせ:2月29日にフラミンゴ隊ハンドメイド部も参加を予定していた、「ワラオケワークショップ」は、コロナウイルスの影響で延期となりました。
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