れおなのブログ〜「ザ・スイッチ生活」とは
パソコンと、トビー(視線入力装置)と、手元スイッチ。
重度の医ケア&肢体不自由小学生、なおぽんに、ハイテク支援を取り入れて早3カ月がたちました。
(ちなみになおぽんが使用している機器はこちら・・・パソコン→mouse MB75W1H17K、視線入力→トビー(Tobii Eye Tracker 4C)、手元スイッチ→ピエゾニューマティックセンサー(PPS)スイッチ)
この変化を、何に例えよう。
目に見えて何かが大きく変わったわけでもない、なおぽんとスラスラ意思疎通できるようになど、当然なっていません(まだ3カ月!!)。もっぱら、パソコンゲームをまともにさせてあげられるかどうかに悪戦苦闘の日々。
だのに、確かに感じる、この胸の中に灯った新しい気持ちは、やっぱり希望に近いような気持ち、というべきでしょうか。この子の道が、もはや霧の中ではない、というような。
そして、こんな事がありました。
なおぽんの兄はピアノを習っているのですが、年末の発表会前に一週間くらい、せっせとピアノを練習していました(ちなみに、この時期になったらもう、ほめるに限ります)。
「いーねーー!仕上がってきたねー、豪華だねぇ〜〜 (ほめまくる母)」
とそこへ、
「ピー」
と、なおぽんスイッチの小さな音が、しました。
まだ、使いはじめて日も浅く、発作や緊張の度、ピーピー鳴ってしまいます。それは、今でもそう。でもその時の「ピー」は、あたかも、気楽に弟がお兄ちゃんの演奏を
”いーじゃん、わるくなかったよ”
とでもいったかのように感じられ、思わず私の中の時間が止まったのでした。
本当のところは、神さまとなおぽんしか知りません。ただの小さな発作による誤作動だったのかも。でも、"相づち"だった可能性も、確かに、あるのです。
はじめて。
ふたりの子供を授かってはじめて、私は台所という離れた場所にいながら、「我が子2人と私」の3人で会話をしたかのような、そんな気がしたのでした。
ウッと一瞬胸の奥がつまって(大げさかもしれないけれど)、なんとも言えない思いが胸にこみ上げました。そして、あ、これが、スイッチ生活が始まった、というコトなんだ、と、実感したのです。
ピーの表すものが、そんなちょっとした、相づちであってほしいなぁ。
押すタイミングも、強さの調節も、なおぽんにとっては一筋縄ではいかないようです。もどかしそうな表情もよく見せます。私も、セッティングがまだまだ下手っぴで、彼の使いやすいように設置できているのか、毎回、自信がありません。視線入力にいたっては、なおぽんの目は一重まぶた、下向きまつげ、などなど、基本的なところから、壁だらけ。
こうした支援機器を使っていることに対するはっきりした成果を、世の中からは期待されてしまうかもしれないし、そうなると、なかなかの遠い道のりではないかと、途方にくれちゃう時もあります。
が。
ほんの一瞬でも、そしてたとえ私の勘違いであっても、こんな感じに新しい感動を運んで来てくれるものが、「ザ・スイッチ生活」なのです。日々の生活のあっちこっちに、こうしたささいなキラメキが見え隠れし始めています。それは、リアルに本人を感じられるもの、と同時に、たくさんの可能性を秘めたもの。ちょっとずつ、ちょっとずつだけど、なんだかワクワクします。
とにかく、ちゃんとした道具や支援さえあれば、なおぽんのような重度障がいを持つ子供にも、そしてその家族にも、可能となる経験がたっくさんある、ということなのだなぁ〜と思います。
さ、あとは、パソコンへのゲームのダウンロードや設定、そして、熱く温かいご好意で入手させていただいた、”miyasuku”を、いかに(アナログ系)母が使いこなし、今後なおぽんに提示してあげられるか。
日々、勉強です。
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